FXにおいて、ローソク足を用いた有名な手法の1つに、ピンバーと呼ばれるものがあります。ピンバーは、専門の知識がほぼ不要な状態でも、実際のFXトレードに使うことができる便利な手法の1つです。今回は、そのピンバーについて、解説します。
目次
ピンバー(Pin bar)とは
図1(ピンバーの画像)
ピンバーとは、長いヒゲと短いローソク足実体で構成された、ローソク足の形状のことを指します。
ピノキオバー(Pinocchio bar)が正式名称で、その略称がピンバー。ピンバーのローソク足の形状が、ウォルト・ディズニーのアニメに登場するピノキオの鼻に似ていることから、ピノキオバーと呼ばれるようになりました。
図2(ローソク足の実体とヒゲの画像)
ピンバーには、陽線のピンバーも、陰線のピンバーも存在します。ピンバーは、トレンドの転換点(天井圏、底値圏)であったり、サポート、レジスタンスで発生しやすいという特徴があります。
FXのローソク足を使った手法で使うピンバーの定義
ピンバーとは、長いヒゲと短いローソク足実体を持つ、ローソク足のことを指します。しかし、FXにおけるローソク足を使ったトレード手法では、全てのピンバーが有効かと言うと、そうではありません。
ピンバーのヒゲの長さ、ローソク足実体の比率については、人それぞれ判断基準が異なります。従って、ピンバーを用いたトレードをしようとした場合、できるだけ、ピンバーのローソク足における定義を明確にした方が良いものだと考えます。
FXnote247においては、その定義を以下にします。
- ローソク足実体の長さ:ヒゲの長さ=1:3 を超えるもの 【理想】
- ローソク足実体の長さ:ヒゲの長さ=1:2 を超えるもの 【最低限】
図3(理想のピンバーと悪いピンバーの画像)
上の画像(図3)において、Bのピンバーは、ローソク足実体の長さ:ヒゲの長さ=1:2なので、最低限の条件を持ったピンバーです。Cのピンバーは、ローソク足実体の長さ:ヒゲの長さ=1:3、Dのピンバーは、ローソク足実体の長さ:ヒゲの長さ=1:6、Eのピンバーは、ローソク足実体の長さ:ヒゲの長さ=1:12なので、理想のピンバーであることが分かります。
ピンバーは、ヒゲの長さが長ければ長いほど、信頼度が高いピンバーになります。つまり、図3においては、CのピンバーよりもDのピンバー、DのピンバーよりもEのピンバーの方が、信頼度が高いピンバーであると言えます。
また、時間足が長期であればあるほど、信頼度が高いピンバーになります。言い換えると、15分足で発生したピンバーよりも、4時間足で発生したピンバーの方が、信頼度が高いピンバーだと言えます。
ちなみに、図3におけるAのピンバーは、ローソク足を使ったFXトレード手法においては悪いピンバーというだけで、ピンバーである点は間違いありません。他のインジケーターと併用するのであれば、Aのピンバーを参考にするのは、何ら問題はありません。
FXにおいて、ピンバーが有効である理由
FXのチャートを見ていると、特徴的なローソク足には、ついつい目がいくものです。ピンバーは、長いヒゲを持つローソク足だという特性から、誰もが注目しやすいという特徴があります。
そして、そのピンバーを見ると、FXトレーダーの多くの方々は、高値もしくは安値が否定された痕跡だと判断します。従って、ピンバーを見ると、大衆心理が買い目線、売り目線に傾くことから、ピンバーは有効だと言えます。
また、上ヒゲ(ヒゲがローソク足の上部に伸びたもの)を持つピンバーは、そのローソク足単体で見た時に、高値を試したが否定されたと捉えることができます。逆に、下ヒゲ(ヒゲがローソク足の下部に伸びたもの)を持つピンバーは、そのローソク足単体で見た時に、安値を試したが否定されたと捉えることができます。
チャートから、こういった心理を読み取ることができるため、ピンバーは有効なのです。
ピンバーを用いたFXトレード手法
ピンバーのみを見て、FXのトレードをすることは可能です。
ピンバーを使った、ロング(買い)のエントリーと損切り方法
図4(ピンバーを使ったロングのエントリーの画像)
ピンバーを根拠にロングでエントリーをしたい場合は、以下のルールでエントリーを行います。
- 下ヒゲがあるピンバーを根拠にすること。
- ピンバーの終値が確定した後、そのピンバーの高値を超えた価格でエントリーをすること。
- 時間足は何分足でもOK。
- できれば、陽線のピンバーであること。
損切りラインは、ピンバーの安値を割った位置になります。
図5(ピンバーを使ったロングのエントリーの実際のチャート画像)
上の画像(図5)は、実際のチャートにおけるピンバーの画像です。図5黄色の星印部分がピンバーになっており、ロングでエントリーできる条件が揃っていることが分かります。
ピンバーを使った、ショート(売り)のエントリーと損切り方法
図6(ピンバーを使ったショートのエントリーの画像)
ピンバーを根拠にショートでエントリーをしたい場合は、以下のルールでエントリーを行います。
- 上ヒゲがあるピンバーを根拠にすること。
- ピンバーの終値が確定した後、そのピンバーの安値を割った価格でエントリーをすること。
- 時間足は何分足でもOK。
- できれば、陰線のピンバーであること。
損切りラインは、ピンバーの高値を超えた位置になります。
図7(ピンバーを使ったショートのエントリーの実際のチャート画像)
上の画像(図7)は、実際のチャートにおけるピンバーの画像です。図7黄色の星印部分がピンバーになっており、ショートでエントリーできる条件が揃っていることが分かります。
ピンバーにおける重要なこと
ピンバーは、ローソク足における、プライスアクションの1種です。ピンバーのみを根拠にして、FXのトレードも可能ですが、他のエントリー根拠も併用してトレードをすることにより、勝率は上がります。
ピンバーを使ったトレードは、エントリーのタイミング、損切りの場所は決まっていますが、利益確定のラインは決まっていません。その点については、理解した上、FXをすることを推奨します。
ピンバーに関する動画
※ピンバーに関する内容を動画で見たい場合は、以下をご覧ください。